2007年3月30日

「白鳥とのお別れ会」その後の報告

「白鳥とまた会うべ会」その後の報告

 3月17日、郡山市の中村和夫さんの田んぼで、白鳥とまた会うべ会をやりました。東京から約20名、現地30名ほどが参加、寒風吹きすさぶ中、田んぼの水を抜いて、見送る儀式?を行いました。

 田んぼのあぜがかなり壊され、田んぼも集まる箇所だけが深く掘られ、稲作りのために田んぼ全体の修復が必要でした。その作業を始めるため、通常では4月第1週ごろまで居座る白鳥に、帰国を少し早めていただこうと、飛び立ちを促したのでした。

 田んぼの水尻から水を落とし始めても、完全に抜けるには数日はかかります。翌18日朝、田んぼを見ましたが、全体には稲株や土が見え始めていましたが、一部の深く掘られた箇所に白鳥が集まっていました。

 「今週いっぱいくらいで、帰るのだろうか」と、スタッフ一同現地を後にしたのでした。
さて、その後どうなったでしょうか。白鳥の数は、徐々に減っていったようです。

 26日夕方、中村さんの奥さんが見に行った時は、22,3羽だけになっていました。その翌朝、再び田んぼへ行ってみると、一羽もいません。「ああ、もう帰ったのかな」と、ちょっぴり寂しくなったそうですが、その後、再度戻ってきたのです。

 きっと帰国のあいさつに帰ってきたのですね。見ていると、今度は農作業用のハウスの上空に飛立ち、いつもと違う高さまで上がる飛び方で、阿武隈川方面へ姿を消したのです。
「ああ、これで帰っていったんだね」と思うと、やっぱり寂しいと、奥さんはちょっぴり電話の向こうで、声を詰まらせていました。

 それにしても、どうも田んぼの水がなかなか抜けない、と不審に思っていると、どうやら白鳥を見に来た地元の人が、「水が抜けて大変だ」と、水を入れていたらしいのです。ちゃんと公示するべきでした。ひとつの反省材料です。

 白鳥が帰った田んぼでは、さっそく修復作業にとりかかるとか。「10月にはまた、白鳥がやってくるんで、その時はまたみんなで会いにきてください」と、今度は奥さんの声が、はずんでいました。

2007年3月19日

郡山の白鳥の田んぼで”お別れ会”は寒かった

3月17日(土)郡山の白鳥を見送る会に行ってきました。暖冬で白鳥がすでに帰っているのではと、心配でしたが、杞憂でした。白鳥はまだまだちゃんと田んぼにいました。

 いやー、ともかく寒かった。時折、雪が舞っていましたが、上から降ってくるのではなく、横から吹き付けて、顔や手など露出している肌は痛く、とても長い時間立っていられないほどでした。

 約20名の参加者の大半が初めて白鳥の湖ならぬ白鳥の田んぼを目の当たりにして、感動していました。こんなに近くで白鳥を見たのは初めてだと、寒い中、動こうとしませんでした。

 地元の方々も、野鳥の会や農家の方がやってきて、白鳥の生態などおはなしてくれました。その中で「「郡山市の方に、匿名で、白鳥を追い出すためにいじめようとする会があるそうだが、やめさせて欲しい」と電話が2件あったそうです。

 棒でたたいたりして追い出すイメージがあったのでしょうか。ともかく、地元の人々に説明不足だったのは、反省です。田んぼは稲を育てるのが主目的です。でも、中村さんちのように、白鳥というお客さんもうれしいね、という生きものたちとの共生も、すばらしい考えです。

 しかし、白鳥が長居することで、荒らされた田んぼを修復する時間がなくなって、稲作に影響するのは問題です。そこで、そろそろお帰り願おう、というのが、今回の趣旨でした。

 実際には、田んぼの水を抜いて、白鳥に飛び立ちを促すのです。2日ほどで田んぼの水が抜け、そうすると白鳥もそろそろかな、と飛立ちの行動を起こすようです。数日中には飛立つのではと、中村さんたちも見守っていますが、さてどうでしょうか。

 結果は、このブログでお伝えします。

2007年3月16日

佐渡で見つけたサンショウウオの卵塊

3月初め、佐渡へ生きもの調査で行った時、撮影したものです。カメラの映像を整理していたら出てきたので、ご紹介します。

 佐渡の山本雅晴さんの田んぼが、いつもの調査対象ですが、生態系豊かなところです。かつて、この近くでトキがえさをついばんでいた姿を見ているそうです。

 この卵塊は、山すその用水路で見つけました。昨年も見たので、今年はどうかなと探しましたら、やっぱりありました。カエルの卵塊とは違う、まるで海でとれる、ほやのような、ゼラチン質の結構大きなかたまりです。

 バットの中の撮影後は、また用水路に戻しました。成長して卵を産み、また来年会おうね、、、、。

2007年3月13日

ヤマアカガエルがおたまじゃくしに

3月1日のブログで、もてぎのヤマアカガエルに今年も出会えたことを書きました。2月24日(土)の生きもの調査の時のことです。棚田一面にものすごい数のヤマアカガエルたちが、大合唱と子孫繁栄に頑張っていました。

 3月3日のNHK週間こどもニュースを見た方もおられると思いますが、その現場のシーンが写っていましたね。

 さて、それから2週間後の3月10日(土)、再びもてぎの棚田へ行ってみました。ありました、ありました。あちこちの棚田に、そのころ産み放たれた卵塊が、稲株の間で、静かに孵化するのを待っているようでした。

 あたり一面は、あの時の喧騒がウソのように、シーンと静まり返っていました。時々、チュチュン、チュチュチュと小鳥が枝の間を飛び交う他は、生きものたちの気配がありません。あのカエルさんたちは、土の中で春が来るのをじっと待っているんでしょうね。

 あっと、発見です。ほとんどが、まだ卵塊だと思っていましたら、一部で孵化して、おたまじゃくしになっているではありませんか。探してみると、結構います。日当たりのいい田んぼでは、おびただしい数のおたまじゃくしが、泳ぎだしています。(写真参照) 三寒四温が繰り返される中で、確実に春が近づいているのですね。

 この時、大変な情報が飛び込んできました。この棚田は、水もちが悪くなっており、夏、水が抜けやすく、そのため、草がすごく繁殖するのです。そこで、一度、棚田の土を入れ替えて、つくり返すというのです。

 しかも、その作業は、すぐ始めるという。大変だ!土を掘り繰り返されては、カエルくんたちは全滅だ!そこで、翌11日(日)の午前中、時間があったので、カエルくんたちの救出作戦を敢行しました。

 バケツに卵塊をとって、水もちのいい、つくり替えをしない田んぼや、一番上のビオトープまで運んだのです。何往復したでしょうか。3時間ほどかかって、大半の卵塊を移し替えることができました。幸い、おたまじゃくしになっている田んぼは、水が充分入っているので大丈夫でした。

 今度来るときは、みんなおたまじゃくしになっているんだろうね。この棚田は、子供から大人までの田んぼ体験イベントの会場になります。日本で一番小さいハッチョウトンボやタガメもいる、生態系のすごく豊かな場所です。夏のホタルは田んぼ一面に宝石をちりばめたようです。みなさんも、一度いらっしゃいませんか。

2007年3月13日

ヤマアカガエルの卵塊

私たちが救出したヤマアカガエルの卵塊です。暖かい日が続けば、あと一週間ほどでおたまじゃくしになるでしょうね。

ホームページ制作はオールインターネット